高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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2009年 09月 17日 ( 1 )

銃口

「銃口(上・下) 三浦 綾子 著 角川文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆

面白いとか、面白くない、と言う次元ではなく、すごく”良い話”だ。
米治郎、”嫌いな奴は大嫌い”という生き方をしてきた。
50を過ぎた年齢で今更変えられないが、
非常に損な生き方をしてきた。
これを読んで、つくづく、そう思った。
「どうしたらよいか迷った時は、自分に損になる方を選ぶといい」
人を信じる、愛する人を信じる、愛する人を待つ、あの戦争のさなか、
そう信じたからこそ、生き延びることができた。

主人公の北森竜太、旭川の質屋、北森質屋の長男、父の政太郎、
母のキクエ、姉の美千代、弟の保志の5人家族、
昭和のはじめ、級長の竜太は3年生、大正天皇の御大葬を
綴り方に書けと、担任の河地先生から宿題が出され、
その日の朝、雪で濡れた足が冷たかったと書き、
頬を殴られ、居残りで、書き直された。

そして、4年生になって、竜太の人生を
左右する坂部先生が担任になった。
坂部先生のもと、夕張からの転校生、その後、
将来を誓い合う運命の女性、芳子と出会う。
いつしか、坂部先生のような先生になりたい、
と、先生を目指す。
中学校になって、父と店の番頭の父親が具合が悪いので、
見舞いに行ったその納屋で、タコ部屋から脱走した
朝鮮人、金俊明を匿う。彼は、その後、竜太の命を救う。

師範学校を卒業して、炭鉱の町、幌志内の小学校に赴任する。

札幌へすでに先生になっている芳子と綴り方の研修へ行った。
それが、竜太の運命を狂わせた。日本は戦争への坂を下り始め、
治安維持法による言論統制が始まっていた。逮捕され、7ヶ月
拘留され、教師の職も取り上げられたが、芳子は待っていてくれた。
結婚を決めるが、そこへ追い討ちをかけるように召集される。

これでもか、これでもかと、竜太に悲惨なこと、不幸なことが起こる。
しかし、それを純真な気持ちを持って、乗り切っていく。
下巻の最後の方、金俊明との再開のシーン、電車の中で読んでいて、
危うく、頬を涙が伝わるところだった。

芳子の言葉、「あなたがあなただから結婚したいの」心に残った。
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by l-cedar | 2009-09-17 22:54 | 感想文