高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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被弾

「被弾 堂場瞬一著 中公文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

刑事鳴沢了シリーズの第2巻、すっかり嵌った。
鳴沢了は新潟県警を辞めていた。
そして、なんと、警視庁に中途採用されていた。
本人は、英語を生かした語学の中途採用と思っていたが、
そうではなかった。新潟県警の幹部である父親が
裏で手を回していた。

東京では田舎である多摩署の刑事課に配属されていた。
しかし、仕事は満足に与えられず、資料室に篭り、昔の事件の
資料を読む毎日だった。
心には、祖父が自ら選んだ死を目の前で、助けず、
それより、自分の罪を祖父が認め、死を選んだこと。
それが、重くのしかかっていた。

前編に引き続き、鳴沢了の視点で物語は進む。
人手が足りなくて、あるホームレスの襲撃事件に駆り出された。
そこで、同じ刑事課の女刑事”小野寺冴”と出会う。
彼女は、モデルのようなスタイルである。なぜ、刑事なのか?
子供の頃、家が火事になり、隣に住んでいた刑事に助けられ、
それから彼に憧れ、刑事に憧れ、警官になり、刑事になり、
その助けられた刑事の同僚になった。
しかし、彼女の目の前で、婦女暴行犯に、その刑事が撃たれ、死ぬ。
彼女は、その犯人を撃ち、虫の息のその犯人の眉間に止めを撃つ。
それが警視庁内で問題になり、多摩署へ左遷されたのだった。

彼女との会話の描写が良い。最初は言い合いの喧嘩ばかり。
しかし、少しずつ打ち解けてくる。そして、お互いに一線を越える。

鳴沢には、大学時代のラグビー部の先輩であり、大親友の沢口裕生、
彼は、公立中学の教師をしていた。

さて、ホームレス襲撃事件、被害者が消えてしまった。
ひざを割られて、足に大怪我をしているらしい。
どこへ消えてしまったのだろう。
そして、第2の事件が起きる。ある会社員が家の前で襲われた。
殺人未遂だったが、被害者は死に、殺人事件となった。

ホームレスの行方を追ううちに、その被害者は、
昔、学生運動の左翼系のセクトに属していたことがわかってきた。
そして、その会社員も同じセクトだった。事件は繋がるのか?
同僚であり、恋人でもある、小野寺冴との間はどうなるのだろうか。

事件には悲しい出来事が隠されていた。
犯人は、鳴沢の良く知っている人間だった。
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by l-cedar | 2008-07-31 23:52 | 感想文