高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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朱夏

「朱夏(警視庁強行犯係・樋口顕) 今野敏著 新潮文庫」を読んだ。

米次郎の推薦度 ☆☆☆

”青春”、
”朱夏”、
”白秋”、
”玄冬”。

”青春”という言葉は誰でも知っている。
最後に事件が解決して、天童、氏家、樋口の3人で飲んでいるときの
会話。樋口刑事の先輩である天童刑事の言葉。
「~。青春なんざ、くそくらえだよ。青春の次には朱夏が来る。」
「朱夏?」
「そう、朱色の夏。燃えるような夏の時代だ。そして、人は白秋、
つまり白い秋を迎え、やがて、玄冬で人生を終える。玄冬とは
黒い冬、死のことだ。最も充実するのは夏の時代だ。そして、
秋には秋の枯れた味わいがある。青春ばかりが
もてはやされるのはおかしい。」

物語は、樋口警部補の妻、恵子が消える。
一人娘の照美は、友達とスキー旅行。
ある事件が解決して、家へ帰ると、妻がいない。
そして、朝まで帰ってこなかった。
そして、寝ずに、警視庁へ出勤すると、樋口は、天童から
警備部長に脅迫状が届き、その捜査本部を立ち上げるように
命じられる。

妻は誘拐された可能性が高くなる。捜査本部を立ち上げるのは
月曜、今は金曜、樋口に、自由に動けるのは2日間のみ。
前回の”リオ”で、親しくなった荻窪署生活安全課の氏家に協力を求める。
そして、樋口の我を忘れて、妻を探す二日間が始まる。

果たして、犯人は?

すごく共感が持てる。樋口が妻を誘拐されての心理描写がすばらしい。

夫婦とは?
家族とは?
自分とは?

ものすごく感動した。そして、最後の天童の言葉。
”朱夏”。

米治郎は、まだ、”朱夏”か?
それとも、もう”白秋”に入ったか?

”警視庁強行犯係・樋口顕”シリーズ。
警察小説というジャンルだが、
米治郎にとって、人生を見つめなおす話だった。
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by l-cedar | 2008-07-05 20:34 | 感想文