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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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報復の鉄路

米治郎の推薦度 ☆☆☆

報復の鉄路_c0003409_17121141.jpg


「報復の鉄路 ジャック・ヒギンス著 黒原敏行訳 角川文庫」を読んだ。
(原題:Midnight Runner) 久しぶりのジャック・ヒギンスだ。
米治郎、一押しの外国の作家だ。世界的なベストセラー
「鷲は舞い降りた」、ずいぶん昔(たぶん、25年くらい前)だが、
これを読んでこの人にはまった。
第2次大戦ものとIRAテロリストものの2つに分けられる。
「鷲は舞い降りた」は前者である。
しかし、最近は、IRAテロリストものから飛び出した”ショーン・ディロン”が
主人公のものが中心である。
さて、本書だがもちろん、ショーン・ディロンもので、
”復讐の血族”(原題:Edge of Danger)に続く、ラシッド家との戦いだ。
アラブの遊牧民ベドウィンの部族長を父に、イギリスの伯爵令嬢を母に持つ、
ラシッド家の美しき四兄妹、ビジネスの世界で成功した彼らは、
自分たちのビジネスの邪魔をするアメリカとロシアの石油会社を相手に
世界を揺るがす企て(アメリカ大統領暗殺)をするが、
それをディロンに阻止されるばかりか、3兄弟をディロンたちに殺されてしまう。
そして、美しき末娘のケイト・ラシッドだけが生き残り、巨万の富と
アラブでの巨大な権力を手にする。ここまでが前作で、その復習に燃える
ケイト・ラシッドとディロンの戦いが”報復の鉄路”である。

米治郎、アイルランドの複雑な事情、実は、”ジャック・ヒギンス”に
教わったといっても過言ではない。
”ショーン・ディロン”ものは、(”ウィキペディア”に架空の人物なのに
”ショーン・ディロン”の項目があるのも驚いた。)
”嵐の眼”(原題:Eye of the Storm)からだが、
当初は、ダウニング街の首相官邸にロケット弾を打ち込む
IRAのバリバリのテロリストだった。ここから読んでいて
いろいろ知った。そういう、宗教的背景も書かれている。
それが、前作の”復讐の血族”と今回の”報復の鉄路”は
さらにアラブの複雑さも少し描かれている。

原文で読める人はうらやましい。
ショーンディロンもので、香港返還の中での密約を描いた
”密約の地”(原題:On Dangerous Ground)は興味深いかも・・・。
もちろん、”嵐の眼”(原題:Eye of the Storm)から
順に読んでいくのが望ましい。
by l-cedar | 2007-10-21 18:20 | 感想文