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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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ブラックブック

米治郎の推薦度 ☆☆☆

ブラックブックを見た。
久しぶりのDVDである。
第二次大戦末期の1944年9月ナチスドイツの占領下に
あるオランダで、ユダヤ人歌手ラヘルの物語である。
物語は、戦後のイスラエル、キブツの中の小学校で、
教師をしているラヘルの回想から始まる。
これで、彼女が戦後も生きていることが先ずわかる。

ナチスドイツの占領下のオランダで、ユダヤ人狩りから逃れ
るため、オランダ人の農家の屋根裏に隠れ住んでいたが、
ラヘルの外出中、その農家はドイツの爆撃機が、
捨てるために落とした爆弾で隠れ家を失ってしまう。
さらに、協力者の助けを得て、南へ逃げることにすると、
そのユダヤ人の集団で彼女の家族と出会い、一緒に逃げる。
深夜、運河を船で逃げるところで待っていたのは、
ナチスの船だった。機銃掃射を浴び、ラヘルは必死で
水中に逃れたが、他の全員は射殺される。
ラヘルは、その将校の顔を目に焼き付けた。

そして、レジスタンスに助けられ、レジスタンスの仲間に加わる。
最初の任務は、連合軍が落とす武器の回収と運搬だった。
そこで、帰路、アッカーマンと夫婦を演じる。
ナチスドイツの持ち物検査を彼女の機転で逃れ、
偶然、ナチスドイツ諜報部ムンツェ大尉と知り合う。

ムンツェ大尉と知り合いになったことを、レジスタンスの仲間に
報告すると、彼に近づくチャンスだと諭され、赤毛を金髪に染め、
彼の趣味である切手蒐集で珍しい切手を餌に彼に近づき、
諜報部で彼の秘書兼愛人になる。
諜報部で彼の部下は、あの運河で家族を射殺した将校だった。

いやー、これでもかこれでもかと、悪い方、悪い方へ話が展開していく。
裏切りがあり、策略があり・・・。

戦争が終わり、最後の最後に、さらにどんでん返しが用意されている。
ラヘルが信じていた者の最高の裏切りである。

米治郎的に、まず、ナチスドイツやゲシュタポが乗っている車両が
忠実に再現されている。
半軌道(後ろがキャタピラ)のバイク、ケッテンクラートや、
ゲシュタポがフランスやオランダで好んで乗ったシトロエン、
また、ナチスの制服など、興味深かった。

オランダで、戦後、戦争中にナチスに協力した人への制裁も
ひどく惨いものだと知った。

見ごたえがあった。
by l-cedar | 2007-10-20 09:23 | 感想文