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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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ミッドウェイの刺客

米治郎の推薦度 ☆☆☆

ミッドウェイの刺客_c0003409_8181011.jpg

「ミッドウェイの刺客 池上 司 著 文春文庫」を読んだ。
これは面白かった。
太平洋戦争で、分岐点であったミッドウェイ海戦、
ここで空母4隻を失う大敗をきし、これ以後、
日本は敗戦への下り坂を一気に転がり込んでいくが、
この海戦、唯一目覚しい勝利を勝ち得た潜水艦、
伊168号の話である。
主人公の艦長、田辺彌八は、艦長としての初陣、
日本を初空襲したドゥーリットル爆撃隊を
発進させた空母を追い、攻撃する潜水艦隊の一艦としての命令を
受けるが、四国沖で機械系統の故障で、
げんの悪い艦長としての汚名を受けてしまうが、
ミッドウェイ島攻略の偵察任務の命令を受ける。
この命令を困難の末、達成するが、ミッドウェイ海戦は日本の敗北。
そこへ新たな命令が、「ミッドウェイ海戦で大破した敵空母、ヨークタウンを
探し出し、撃沈せよ」との命令が下る。

”池上司”という著者は、戦争ものを得意とする作家で、”八月十五日の開戦”、
”真珠湾 十二月八日の終戦”などすごく面白かった。しかし、これはそれ以上だ。

よく専門用語の多い話は、専門用語を束して読みがちだが、なぜか飛ばさずに読める。
最後のヨークタウンへの魚雷攻撃、それに続く駆逐艦隊との死闘の
描写はすばらしいの一語に尽きる。
伊168号も、田辺彌八艦長も実在し、実話を基とした話なので
驚きである。
by l-cedar | 2007-08-08 06:12 | 日々