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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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国家の品格

米治郎の推薦度 ☆☆☆

「国家の品格  藤原正彦著 新潮新書」を読んだ。
これは、特に、海外にいる日本の方々に読んで欲しい。
そして、日本人としての”アイデンティティー”を再確認して欲しい。
米治郎、遅ればせながら、読んだ。220万部だそうである。
”国民必読の書”と帯に書いてあった。
この数字は伊達じゃない、そのとおりであった。
米治郎、実は、この本、売れ始めた頃、立ち読みした。
そして、書いてあることが、まさに自分で考えていたことなので
敢えて、読むことはないと思っていた本であった。
しかし、ここまで売れているので、絶対に読まねばいけないと思い、
本屋で、レジの脇においてあるのを、恥ずかしいので、
「これも一緒に」と、買った。

まず、今の日本人が駄目になったのは、戦後の”欧米化”だ。
”タカアンドトシ”の”欧米か”ではない。
物事を”論理的”に考えなくてはいけない、ということだ。
たぶん、米治郎の世代くらいまでは、
”いけないことはいけない”から、”なぜいけないか”は、
考えなかった。しかし、今は、”なぜいけないか”を
子供に対してまで”論理的”に説明しなくてはいけない。
これが、今の日本の世の中をおかしくしている、と、著者は言う。
米治郎がここで取り上げた会津藩の”什の教え”も書いてあった。
”いけないことはいけない”のだ。

次に、日本人として誰でも持っている”情緒”だ。
”美しいものを美しいと思う心”、これは世界に誇れるそうだ。
例えば、”切ない”という言葉は日本語にしかないそうだ。
こういう気持ちを表す言葉、そして、日本の古くからの文化、
この古さ、例えば、”万葉集”や”源氏物語”、
これらが書かれた頃に、世界のどの国にも
このような小説はなかったそうである。
この”情緒”という気持ちを表す言葉を
世界に広めていくことが、日本人として、与えられた責務だそうだ。

そして、”卑怯”という行為を絶対に許さない気持ちを持つこと。
何に関しても、どんなことでも”卑怯”なことは、
”いけないことはいけない”のであるそうだ。

そして、アメリカが諸悪の根源だそうだ。
イギリスも、”アメリカ化”しておかしくなってきているそうだ。

著者は、数学者である。父は”新田次郎”。
イギリスのケンブリッジ大学へ留学して、
イギリスも、日本同様に、若い人たちに困っているそうである。
世界最古の大学、ケンブリッジでも同様だそうである。
数学者として、これを書いているのがすごい。
”英語より国語”だそうだ。
イギリスでも、”国語”である”英語”がおかしくなってきているらしい。

世界はどこへ向かっているのだろう。
by l-cedar | 2007-03-03 21:55 | 感想文