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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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燃える蜃気楼

米治郎の推薦度 ☆☆☆

逢坂剛氏の「遠ざかる祖国」に続く、「燃える蜃気楼 上・下(集英社文庫)」を読みました。
北都昭平は、前作「遠ざかる祖国」で真珠湾攻撃の日米開戦によって、英国とも敵同士になった、MI6のヴァジニア・クレイトンとの愛は更に深まりますが、スペインに新たな人物たちが登場します。CIAの前身といわれる、後にOSSとなる組織に所属するアメリカ人たちの登場です。アメリカの日系商社スペイン支社に勤める日系アメリカ人の妖しい女性に北都はたぶらかされ、ヴァジニアとの間に揺れ動きます。さらには、1作目「イベリアの雷鳴」で死んだ北都のスペイン人の妻、ペネロペと瓜二つの女性は、死んだはずのペネロペなのか・・・。
連合軍が北アフリカに上陸する前夜のスペインでの情報戦を描いていますが、イギリス、アメリカ、ドイツ、スペインと時局の描写はたいへん見事です。

続く、「暗い国境線」の文庫化が待ち遠しい米治郎でした。
by l-cedar | 2006-10-01 18:20 | 感想文