高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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ダブルジョーカー

ダブルジョーカー 柳 広司著 角川文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆☆

ジョーカーゲームの続編、ダブルジョーカー、これも前篇同様、文庫化を待ち望んでいた。
ジョウカーゲームに引き続いて、こちらも短編集、
だから、移動時に読みやすい。
例によって、結城中佐を中心とする
”D機関”のスパイの話である。

”ダブルジョーカー”
”蠅の王”
”仏印作戦”
”柩”
”ブラックバード”
特別収録”眠る男”
から成る。
ジョーカーゲーム同様、
またまた、奇を衒っている。

”ダブルジョーカー”
陸軍大学校卒、通称天保銭組、
風戸中佐が組織した情報機関、”風機関”。
”D機関”は、「何があっても死ぬな、殺すな」
しかし、”風機関”は”死ね、殺せ”だ。
ジョーカーは二つ要らぬ、どちらかがスペアだ。
”D機関”と”風機関”の戦いを
”風機関”の風戸中佐視点で描いている。

”蠅の王”
関西の漫才コンビ、”藤木藤丸”が戦地を慰問に訪れる
ところから物語は始まる。これ、凄く気を衒っている。
この物語の主人公は、脇坂軍医。
彼は、スパイだった。
スパイハンターとスパイの水面下の戦い。

”仏印作戦”
昭和15年6月、中央無線電信所に勤める高林正人は、
仏印へ出張を命じられる。
海軍と陸軍は暗号表が異なっていた為、仏印の海軍は
専用の無線機を持っていたが、
陸軍は持っていなかった為、高林に出張が命じられた。
仏印は高林にとって、すべて天国だった。

”柩”
欧州でナチスドイツのスパイハンター、
ヴォルフ大佐が主人公。
ベルリン郊外で、列車同士の正面衝突事故が起きた。
事故後、ヒットラーユーゲントが怪しい男を逮捕した。
彼は、死体から金目の物を盗むつまらない男だった。
しかし、彼の盗んだモノの中に、ヴォルフ大佐が
追っていた日本人美術商、真木の財布があった。

”ブラックバード”
舞台は、アメリカ、サンタモニカ。
バードウォッチャー、仲根晋吾。
彼の妻は、サンタモニカの実力者、クーパーの
娘、メアリー。彼女もシンゴと共通の趣味、
バードウォッチングだった。

特別収録”眠る男”
欧米のスパイ小説に良く出てくるスリーパー。
ロンドンに住むサム・ブランド。
彼には最愛の娘、エリーがいた。彼女は幼くして
心臓病に蝕まれていた。
サム・ブランド英国陸軍伍長の妻、セイラは
エリーを生むと同時に亡くなった。
「悪魔でもいい、頼むからエリーを助けてくれ」

アンクル小父さんからいつもの絵葉書が届く。
「ハロー、サム。元気かい?
こちらは相変わらず酷い天気だ。
エリーのよろしく。アンクル・ニック」

前篇同様、よーく読まないとわからない。
「凄い」の一言だ。

前回同様、ハードカバーでは既刊である
次回作”パラダイス・ロスト”の
文庫化が待ち遠しい。
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by l-cedar | 2012-11-05 09:00 | 感想文