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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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警官の血

警官の血(上) 佐々木 譲 著 新潮文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆☆

この感想文ブログ、米治郎が読んだ本の感想文を書くことが
一番の命題だった。
今まで、数々の感想文を書いてきた。
最近、「感想文【復習】」編も少しずつ増えてきた。
しかし、今までの【復習】は、この感想文を
始める前に読んだ本を書いてきた。

今回の【復習】は比較的新しく、
この”感想文”ですでに書いた本の【復習】だ。

佐々木譲さんの”警官の血”の【復習】だ。
すでに書いた感想文で、この”警官の血”が
直木賞だと思っていた。
しかし、”警官の血”で直木賞は取れず、
”廃墟に乞う”で直木賞を取った。

佐々木譲さんが、警察小説の巨頭となったその最たる小説で、
テレビに出てくるアクションや派手な事件を扱う刑事である
警察官ではなく、本来の市民の為の警察官を取り上げた
警視庁警察官大河ドラマである。
テレビ朝日で、ドラマ化もされた。
それも感想文に書いている。
【前編】
【後編】

この小説が凄いのは、その人物背景、
特に、安城家三代の時代背景。
その緻密なノンフィクションを取材して、
フィクションに重ねている佐々木譲さんの筆致力だ。
例えば、”清二”編の”谷中天王寺 五重塔放火事件”。
そして、”民雄”編の”大菩薩峠事件”。

初代、”清二”が追っていた者。
二代目、”民雄”は、父の”それ”を追う為に
警官になったが、警官人生前半は、
違うことに費やされ、人格も失い、
”それ”を追うことができたが、
結局、”それ”の為に命を落とす。
三代目、”和也”は、”民雄”同様、
”それ”を追う為に、警官になるが、
当初は、全く違うことをさせられるが、
その功績により、”それ”を早く知ることができて、
そこで、読者は”それ”が何か作者の言葉によって、
自分の想像が正しかったことを知る。
そう、賢明な読者なら、”それ”は”清二”編でわかる。
少なくとも、”民雄”編で想像はつくだろう。
その読者の想像を考えての佐々木譲さんの
最後の”和也”編での結果の語り、
まさに読者の心をつかんだ見事な筆致と
言えるだろう。

三代に渡る”警官の血”とは・・・。



先日、この”警官の血”の続編である
警官の条件”を買った。
米治郎にしては珍しいハードカバーだ。
”警官の血”もハードカバーだったが、
”警官の条件”もハードカバーだ。

それは、”佐々木譲さん×今野敏さん トーク&サイン会”の
整理券
を手に入れるためだった。

そして、”佐々木譲さん×今野敏さん トーク&サイン会”へ行ってきた。
by l-cedar | 2011-10-13 08:00 | 感想文【復習】