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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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悲しい別れ

別れは悲しいモノである。
誰でも別れは経験する。
それが、好きなもの同士の別れであれば、
その悲しい思いは格別なものになる。

別れに涙はつきものだ。
悲しい別れなら、さらにその度合いは深まる。
別れが悲しければ、思い切り泣くが良い。
泣き叫んで、悲しい思いを吐き出せばよい。
好きな人の胸で、思い切り泣くが良い。





そういう悲しい別れが毎日繰り広げられている。








米治郎の会社のそばに小学校がある。
米治郎の通勤時間、ちょうど、その小学校の
通学時間にぶつかる。都心の小学校なので、
生徒数は少ない。

白人のお父さんと手をつないで小学校4年生くらいの
女の子が、毎日、米治郎の会社の方からやってくる。
お父さんは、お腹がでっぷり出た40代くらい。
女の子は、たぶん、ハーフなのだろう、
クリクリ眼のかわいい子だ。女の子は、
お父さんと手をつなぎ、ニコニコして歩いてくる。
ところが、校門の3mくらい前になると、突然、
女の子の表情が崩れてくる。
そして、校門の前で、くるっと向きを変え、
お父さんに抱きつき、でっぷりとした
お腹の中で、オイオイと泣きだすのだ。
そして、一頻り泣くと、バイバイと言って、
校門から校庭を通って、
何事もなかったかのように校舎へ向かう。
その後ろ姿を、お父さんは、ずっと校門の前で
彼女の姿が、校舎へ入って見えなくなるまで見送る。
そして、彼も何事もなかったのように、再び、
娘と来た道を戻っていく。これが、毎日繰り返される。

米治郎、ずっと見ている訳に行かないが、
少しずつ時間がずれて一遍に見たわけではなく、
毎日、行われているので断片的に見て、
この親子の毎日の別れのすべてを理解することができた。

歩いているのを見た日は、ニコニコしているので
「今日は大丈夫なのだな」と思っていたが、
彼女のニコニコしている顔が歪んでいき、
泣きだす場面を見た日は、ビックリした。
そして、「あ、毎日こうだったのか」と理解できた。

別れは悲しい、そして、それが毎日ならもっと悲しい。

でも、あのお父さんは幸せだ。
いつまで、”悲しい別れ”は続くのだろう。
by l-cedar | 2011-09-30 08:00 | 日々