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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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疾駆する夢

疾駆する夢(上)  佐々木 譲 著 小学館文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆

池井戸潤さんが直木賞を取った「下町ロケット」が
すごい人気のようである。NHKの朝の連ドラ、
「おひさま」も人気である。両方とも、今の
日本に元気を与える話として注目されている。
佐々木譲さんのこの「疾駆する夢」、
この小説も同じように元気を与えてくれる小説だ。

ここのところ、復習が多くなってきているが、
米治郎、これを最初に読んだのは、文庫化されてすぐなので、
2006年7月頃だったので、5年前である。
非常に興味深く読んで、当時は、佐々木譲さんのご本人の
ブログに感想を書くと、ご本人からレスがいただけて
悦に浸っていた記憶がある。

戦後、日本が復興から立ち上がっていくのを
多門自動車という架空メーカーを通して、
自動車産業の創業から現代までを
多門大作という創業者が企業家として、
どう戦っていったかを描く壮大な話である。
日本の自動車産業がくぐってきた
荒廃の中での創業期、そして通産省との闘い、
輸出への思い、マスキー法との死闘、
対米問題など、自動車会社として
考えられるすべての事が次々に起こり、
読んでいて非常に楽しい。その中でも、
多門自動車が、4輪車を作り始めてすぐの頃、
佐々木譲さんは何と、多門自動車を
ルマン24時間レースに参戦させる。
そのくだりは一番楽しく読めた。
また、次第に大きくなっていく中での
多門大作の仲間や家族との葛藤が
人間ドラマとしても非常に興味深く読むことができる。

NHKあたりにドラマ化して欲しい作品だ。
下町ロケットを読まない天の邪鬼さんに
おススメの一冊、上下巻なので二冊である。
by l-cedar | 2011-09-13 08:00 | 感想文【復習】