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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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日輪の遺産

日輪の遺産  浅田 次郎 著 講談社文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆

さて、映画化された「日輪の遺産」である。
この映画のサイトのストーリーを読むと、
いきなり、原作と違うことが分かる。

原作は、戦争中の女学生の勤労奉仕の場面から始まる。
場面は現代にかわり、競馬場、地上げ屋の丹羽は、
社運をかけた建売譲宅が全く売れず、年末を控えて、
最早、これまでと、残った運転資金の100万円で
大穴を当てようと競馬場窓口へ、
そこで不思議な老人に邪魔をされ、
窓口は締切になり、最後の望みも断たれる。
しかし、その老人と、競馬場近くの飲み屋へ行き、
成り行きから、古い手帳を託され、
その老人は息を引き取る。
その手帳は、終戦直前の昭和20年8月10日の
とんでもない事の顛末を書いた日記であった。

”現代の描写”は、少し笑えるように書かれている展開、
”戦争中の描写”は、真面目に書かれている展開、
この二つの描写が、かわるがわるやってきて、
非常にメリハリがあり、読んでいて飽きない。
この丹羽という人物は、映画のサイトを読む限り、
登場しないようだが、映画の興業を考える上で、
それは正解であるような気がする。
それは8月のこの時期を狙ってのロードショーで
あるからで、この”現代の描写”を入れてしまうと、
映画としては、薄っぺらな感じになる気がする。
まあ、映画は見ていないし、映画のサイトを読む限り、
見るつもりもないので、実際の映画のストーリーは
このサイトからの判断なので、
間違っていたらお許しいただきたい。

しかし、あの自転車で上った連光寺坂の横の
米軍多摩レクリエーションセンター、元陸軍多摩火工廠を
舞台にこんな話を書くとは、マッカーサーも気がつくまい。
このウィキペディアを読む限り、財宝のことは書かれていない。

映画を見た人には、あまりおススメできないかもしれない。
まあ、映画は見ていないので、何とも言えないが・・・。
by l-cedar | 2011-08-07 06:58 | 感想文