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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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大聖堂

「大聖堂(上・中・下) ケン・フォレット 著 矢野 浩三郎 訳
ソフトバック文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆

やっと、読了できた。
”チームくすのきさん”、ありがとう。
そして、児玉清さん、養老孟司さん、ありがとう。
ずっと、躊躇していた本を読み、壮絶なストーリーに
出会えた事を感謝したい。
世界で1500万部を突破している大ベストセラー、
だから、”☆☆”である。

ケン・フォレットといえば、”針の眼(Eye of the Needle)”だったが、
大きく見方が変わった。
最後の解説にあったが、ケン・フォレットは、作家になる前から、
この”大聖堂”の構想を持っていたらしい。
そして、”大聖堂”を書くために作家になり、
すぐに、”大聖堂”の構想自体を固めるためには
時間が必要だったので、その繋ぎとして、
”針の眼”などの作品を書いて、注目を集め、
満を持して出てきたものが、この”大聖堂”なのだそうだ。

米治郎、まず、取っ付きにくかったのが、この時代である。
上巻のプロローグは、”1123年”、そして、第1部の”1135年”から
下巻の第6部の”1174年”まで、イギリスのこの
時代背景に馴染みがない、そこが、書店でこの本を手にとっても、
レジへ持っていけない一番の理由だった。

しかし、”チームくすのきさん”に背中を押してもらい、
素晴らしい本に、出会うことができて、感謝である。

物語は、”フィリップ”という修道士が、キングスブリッジという
架空の町に大聖堂を建てたいと思い、人間的にどう成長して、数々の
対処不可能な苦難に立ち向かい、苦難を克服して、
出世して、大聖堂を建てるかの話である。
こう書くと、いかにも簡単だが、ストーリーは、次から次へと
新しい展開になっていき、これでもか、これでもかと
不幸なことがおきていく。

米治郎が、一番感動したのは、下巻、第5部のP.442~P.446付近、
フィリップがキングスブリッジの修道士長を争ったリミジアス、その後、
彼は、フィリップを裏切り、フィリップの敵対勢力側につくが、
そこで捨てられ、ゴミ漁りをしているところを通りかかったフィリップは、
彼に、修道館に戻ってくるよう手を差し伸べる。
朝の山手線、大混雑の中で、うっかり読んでしまい、
涙がこぼれ落ちないようにするのに苦労した。

勧善懲悪のたいへん読了感のある大作だ。
こういうものを読んだ後は、次に何を読むかがたいへんである。
by l-cedar | 2010-07-11 19:26 | 感想文