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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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冷えた月

「冷えた月 谷村 志穂著 新潮文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆

ちょっと毛色の変わったものを読んでみようと思い、
書店に並んでいる新潮文庫の新刊からこの本を手に取った。

最初は結構、良いペースで読み始めたが、
だんだん重くなってきて、一気にペースが遅くなった。

はっきり言って、”×”だった。

しかし、
読み終わって、少し経ってから思い違っていたことに気づいた。

女性が、女性を書くと、”凄い”、と、初めて思った。
表現が露骨である。
「恋というより、はじめて抱いた野心だったかもしれない。
この男を欲しい、と願った。どんなことをしても、欲しい、と。」
これは、一部分だ。

男が、露骨に、男の性を書く小説は、普通に読んできた。
そして、女性作家が、男の性を書く小説も少し読んだつもりだった。
もちろん、女性作家が、女性の性を書く小説も読んだつもりだった。
しかし、こういう”重い”書き方の話は、”初めての体験”だった。
男性より深い女性のさらなる深さを、少し、わかった気がした。

何かで読んだ。
母親の胎内で、精子と卵子が受精して、人間としての形成が始まって、
性器らしきものが、形成されるとき、まだこの時点で、
男か女かわからないとき、最初は、男性性器だそうだ。
そして、女性の場合は、そこから進化して、女性性器になるらしい。
つまり、男性が進化して、女性になる。
だから、生まれた時点で、女性は、男性を超越している、のである。

女は、妻になり、母になる。

男は、夫となり、父になったつもりと思っているだろうが、
男でしかない、
のかもしれない。

この本を読んで、いつも思っていること、
さらに、確信した。
by l-cedar | 2010-01-18 23:48 | 感想文