人気ブログランキング | 話題のタグを見る

高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

警官の血(前編)-ドラマ

テレビ朝日50周年記念ドラマ、警官の血、
米治郎が大好きな作家、佐々木譲さん原作の
ドラマ化だ。2008年「このミステリーがすごい!」で
1位を獲得。第138回候補作(受賞作の桜庭一樹『私の男』と
最後まで競った)。その前編が、昨日、2月8日に放映された。

まず、前から言っていたように、テレビ朝日の50周年記念の
ドラマだけあって、出演者がすごい。
まず、初代の”安城清二”が”江口洋介”、2代目”民雄”が吉岡秀隆”、
そして、3代目”和也”が”伊藤英明”、3代にわたって安城一族に
かかわり、事件の鍵を握る”早瀬勇三”に”椎名桔平”、
さらに、木村佳乃、奥田瑛二、高橋克典、泉谷しげる、等々。

前編を見て、小説にはない臨場感が最近のドラマとしては
迫力を感じた。早瀬が、戦争中、レイテで部下が撃たれて
目の前で死んでしまうシーンは原作ではああいう風には
感じ取れなかったので、映像化されて初めて、あれで
早瀬が変わってしまうという設定もうなづけた。

また、原作では、あんなに早くわからない、早瀬が
清二を殺すシーン、天王寺の五重塔が火事になり、
その現場に、清二が早瀬を見つけて、後を追い、
鶯谷と上野の間にある跨線橋で追いついて、
二つの男娼殺人を問い詰め、やがて、逆に
早瀬に殺されて、跨線橋から落とされてしまう
ところを、前編に持ってくるというのは、
”やられた”という感じである。やはりテレビで、
それも前編後編の5時間の放映時間で、面白くないと
思われてしまってはダメだから、あそこで、事件の全貌を
見せて、逆になぜ、早瀬が安城一族と深いかかわりを
持とうとするかを描いた方がよいからだろうか?
そして、後編で、和也がそれを紐解いていくのだろう。

前編で、一番すごいなと思ったのは、”民雄”役の
吉岡秀隆だ。警視庁のスパイとして、北海道大学へ入学して、
赤軍派の情報をつかんでいくが、やがて、精神に支障を
きたしていく役どころは、彼ならではの演技だった。
「こんなことをやるために警官になったんじゃない」と
言うセリフは、迫真だった。

もう一つ、度肝を抜かれたのは、五重塔の炎上シーンだ。
あれは決して、CGではなかった。天王寺駐在所の
隣に、五重塔があり、それを実際に燃やしてしまったのだろう。
セットとはいえ、この物語に、キモになる事件だから、
あれをCGを使わず、セットでやったというのもすごい。

さて、今夜、後編がある。”和也”の”伊藤英明”、
そして、和也編でのキモである加賀谷刑事は、”佐藤浩市”が演じる。
楽しみである。
by l-cedar | 2009-02-08 14:28 | 感想文