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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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はなくじら

先日、大阪へ一泊出張へ行ってきた。
1日目は広島、福山とまわり、2日目が大阪なので、
大阪で泊まるスケジュールにした。
大阪といえば、サトウタロウさんである。
当然、大阪へ行く旨、前もって知らせていた。
「”おでん”を食べに行くから、早く来い」というメールが
帰ってきていた。

福山が終わって、サトウさんへ電話した。
米治郎「何時に行けば、おでん食べられます?」
サトウ「おお、早く来い」
米治郎「福山が終わって、これから大阪へ行きます」
サトウ「だから、何時に来られるんだ?」
米治郎「5時半には」
サトウ「じゃ、着いたら、電話ちょうだい」

福山から新大阪へ向かう新幹線の車内
米治郎の頭の中「おでん、おでんおでん
5時に大阪へ着いて電話をした。
米治郎「大阪へ着きました」
サトウ「よし、場所は福島だ、梅田のヨドバシカメラの前で待っていろ」
米治郎「はい、御堂筋線のヨドバシの改札のところで待っています」
サトウ「おう」

待っていると、サトウさんの会社は、淀屋橋なのですぐに現れた。
サトウ「おう、女房の親父が危篤なんだ、ちょっと、
    いつ連絡あるかわからんから、悪いけど、今日はほどほどな」
米治郎「ああ、ちょうど良かった、私も明日早いですから」
サトウ「おう、じゃ、タクシーで行くぞ」
米治郎「福島ならすぐじゃないですか、歩いてもいけますよね」
サトウ「いや、タクシーだ」

タクシーに乗って、ものの5分、目的地の近くでタクシーを降りると、
サトウさん、いきなり走り出した。
米治郎の心の声「えー、どうしたのよ、あのサトウさんが走ったよ」
米治郎、仕方なくあとを追う。50歳を越えた男が二人で走る。
ほどなく、”おでん”のテントが見える。
そこで、若いアベック(古っ)を追い抜く。
はなくじら”という店だった。

店の人「はい、いらっしゃい、何名様?」
サトウ「ふたり」
店の人「はい、こちらどうぞ」
と、15人ばかりでいっぱいのカウンターへ通された。
ここで、カウンターは満席。
追い越したアベックは、道のビールケースの席へ・・・。
米治郎「やるじゃん」
サトウ「当たり前だろう」

席はカウンターのちょうどおでん鍋の前。
ぐつぐつとおでんの種が煮えていて、良いにおいが鼻に心地よい。
まずは、再開を祝してビールで乾杯。
大根、ジャガイモ、すじ、玉子、と定番を頼む。
汁がいかにも大阪風であっさりしていて、とても美味しい。
特に、”すじ”は大阪でしか食べられない。
大根も、あっさりした汁が沁みこんで最高だ。
ジャガイモもホクホクしていていても、あっさりした出汁が沁みて、
これも東京じゃ食べられない。

サトウ「おい、春菊とカイワレがうまいんだ」
米治郎「ねぎ袋というのも頼んでみましょう」

春菊は、おでんの種として、東京じゃ聞いたことがない。
出汁が沁みた春菊に山芋がかかって出てきた。春菊って、
美味しいと思ったこともないが、まずいと思ったこともないような
どうでもよい野菜だった。それが、出汁が利いて山芋との相性抜群。
カイワレもどうでもよい野菜だが、これも”はなくじらマジック”で、
最高のおでん種に変身していた。
ねぎ袋に至っては、”はい、参りました”状態。

いつの間にか、ビールから焼酎へ・・・。
そして、2合の焼酎が終わったところでお開きにした。

サトウ「おう、今日は悪いな」
米治郎「いえ、ご馳走様でした」
サトウ「また来いや」
米治郎「はい、また来ます」
と、言って分かれた。時計を見ると、まだ8時だった。
今朝はトホホの新幹線で早かったから、早く寝よう。
と、ホテルへ向かった米治郎だった。
もちろん、しらふに近い状態なので、記憶はある。
by l-cedar | 2008-11-01 22:11 | 日々