高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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レミさんシリーズYouTube



最後は・・・、そりゃ捕まるよね。
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by l-cedar | 2012-11-23 21:50 | You Tubeより

スギハラ・サバイバル

スギハラ・サバイバル 手嶋龍一著 新潮文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

前作、ウルトラ・ダラー
の続編。
前作同様、すごい小説だ。
主人公は、もちろん、東京支局ラジオ特派員、スティーブン・ブラッドレー、
実は英国諜報部員。彼は、前作で、やりすぎた為、
「任地、東京を離れ、任国は離れることなく、待機せよ」
との命を受け、金沢で蒔絵師の弟子となっていた。

ポーランドの王都、クラコフ、そこの欧州最大のユダヤ人街、
カジミエーッシュに住むアンドレイは、
ナチスドイツの魔の手から逃れるため、リトアニアから神戸へ。
神戸で、アンドレイは、カジミエーッシュに住んでいた美少女、
ソフィーに再会する。さらにアンドレイは、神戸で、日本人の
孤児、雷児に出逢う。
そこで、アンドレイ、ソフィー、雷児は永遠の友となる。
アンドレイ、ソフィーは親の考え方で、
アンドレイは、アメリカへ
ソフィーは、満州を目指し、上海へ。
雷児は永遠の友、アンドレイとの約束、
「ソフィーを守ってくれ」を果たすため、
靴磨きで貯めた全財産を叩いて上海へ発つ。

スティーブンのアメリカの友、マイケル・コリンズ。
片や、英国諜報部員、片やアメリカ捜査官。
彼らは、シカゴ穀物市場で、儲けている
人物に注目する。金融市場に起きている
異変、9・11で大儲けした人物。
それは・・・・・。
そして、二人は、リトバニア日本領事館公使、
杉原千畝氏に救われた人たちの壮大な物語を知ることになる。

手嶋さんらしいインテリジェンス小説である。
スパイ小説ではなく、インテリジェンス小説との主張だ。
スパイとインテリジェンス、同じようでいて違う職業。
杉原千畝氏は、最高のインテリジェンスオフィサーだった
との氏の見解、それが戦後のアメリカ経済にもたらせた影響。
そう、杉原千畝氏が救った6千人のユダヤ人たちが
如何に戦後世界を動かしたか、との仮説(?)に
基づいて書かれた小説である。
前作同様、最後まで飽きさせない。
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by l-cedar | 2012-11-07 09:00 | 感想文

ダブルジョーカー

ダブルジョーカー 柳 広司著 角川文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆☆

ジョーカーゲームの続編、ダブルジョーカー、これも前篇同様、文庫化を待ち望んでいた。
ジョウカーゲームに引き続いて、こちらも短編集、
だから、移動時に読みやすい。
例によって、結城中佐を中心とする
”D機関”のスパイの話である。

”ダブルジョーカー”
”蠅の王”
”仏印作戦”
”柩”
”ブラックバード”
特別収録”眠る男”
から成る。
ジョーカーゲーム同様、
またまた、奇を衒っている。

”ダブルジョーカー”
陸軍大学校卒、通称天保銭組、
風戸中佐が組織した情報機関、”風機関”。
”D機関”は、「何があっても死ぬな、殺すな」
しかし、”風機関”は”死ね、殺せ”だ。
ジョーカーは二つ要らぬ、どちらかがスペアだ。
”D機関”と”風機関”の戦いを
”風機関”の風戸中佐視点で描いている。

”蠅の王”
関西の漫才コンビ、”藤木藤丸”が戦地を慰問に訪れる
ところから物語は始まる。これ、凄く気を衒っている。
この物語の主人公は、脇坂軍医。
彼は、スパイだった。
スパイハンターとスパイの水面下の戦い。

”仏印作戦”
昭和15年6月、中央無線電信所に勤める高林正人は、
仏印へ出張を命じられる。
海軍と陸軍は暗号表が異なっていた為、仏印の海軍は
専用の無線機を持っていたが、
陸軍は持っていなかった為、高林に出張が命じられた。
仏印は高林にとって、すべて天国だった。

”柩”
欧州でナチスドイツのスパイハンター、
ヴォルフ大佐が主人公。
ベルリン郊外で、列車同士の正面衝突事故が起きた。
事故後、ヒットラーユーゲントが怪しい男を逮捕した。
彼は、死体から金目の物を盗むつまらない男だった。
しかし、彼の盗んだモノの中に、ヴォルフ大佐が
追っていた日本人美術商、真木の財布があった。

”ブラックバード”
舞台は、アメリカ、サンタモニカ。
バードウォッチャー、仲根晋吾。
彼の妻は、サンタモニカの実力者、クーパーの
娘、メアリー。彼女もシンゴと共通の趣味、
バードウォッチングだった。

特別収録”眠る男”
欧米のスパイ小説に良く出てくるスリーパー。
ロンドンに住むサム・ブランド。
彼には最愛の娘、エリーがいた。彼女は幼くして
心臓病に蝕まれていた。
サム・ブランド英国陸軍伍長の妻、セイラは
エリーを生むと同時に亡くなった。
「悪魔でもいい、頼むからエリーを助けてくれ」

アンクル小父さんからいつもの絵葉書が届く。
「ハロー、サム。元気かい?
こちらは相変わらず酷い天気だ。
エリーのよろしく。アンクル・ニック」

前篇同様、よーく読まないとわからない。
「凄い」の一言だ。

前回同様、ハードカバーでは既刊である
次回作”パラダイス・ロスト”の
文庫化が待ち遠しい。
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by l-cedar | 2012-11-05 09:00 | 感想文