高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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さて、2007年も大晦日を迎えた。
今年もあっという間だったが、いろいろなことがあった。
個人的にもいろいろあった。

今年も皆さん、高田米治郎のブログを読んでいただき、
ありがとうございました。
どうぞ、来年も、たぶん書くと思いますので
よろしくお願いします。

皆様、良い年をお迎えください。
謝々。

高田米治郎
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by l-cedar | 2007-12-31 16:28 | 日々

菊じい-29

米治郎、今年の年末年始は、人並みに休ませてもらえそうだ。
しかも12月29日~1月6日の9連休、もしかしたら、
社会に出て、最高に長い連休かもしれない。
さて、そんな30日、29日は雨だったが、晴れたので、
菊じいと二人で、”穴八幡”へ行ってきた。
菊じい、11月頃は、お尻っぺたが痛くて、
歩くのもままならなかったが、順調に回復して、
毎日の散歩も今までどおりになったらしい。

そこで、年末恒例の”穴八幡”の”一陽来復”を買いに行った。
奥さんと二人で、菊じいのマンションへ行き、隅ばあさんと
奥さんは、正月の買い物へ、菊じいと米治郎は”穴八幡”へ。
隅ばあさんも相変わらず、たいへん元気で、
放送事故に縁のないラジオ局のように
一人でずっとしゃべりっぱなしである。

さて、菊じいと米治郎は、神田川を渡って、新目白通りから
水稲荷神社を抜けて、早稲田通りに出て、穴八幡へ向かった。
早稲田通りを高田馬場方面から穴八幡へ向かうと、
正面の参道へ行かずに、横から穴八幡へ入れる。

米治郎は毎年のことなので、まず、”一陽来復”を買いに
本堂の前を通り過ぎていこうとすると、菊じいが
「参拝しなくても良いのか?」
「先に一陽来復を買いましょう」
「おお、そうか」
「あっ、お父さん、去年は700円だったけど、
今年は800円になっています」
「うん、紙代が上がったんじゃないか」

帰りは、早稲田大学の中を通って、帰ってきた。
ここ1年で、早稲田大学はいくつかの校舎を建て替えていて、
10階建て以上の校舎が、5棟くらいに増えた。大隈講堂も
きれいになって、雰囲気がきれいな感じになった。
いつもは学生で賑わうキャンパスも、さすがに今日は
ほとんど人がいない。
新目白通りまで戻って、菊じいに
「お義父さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫」と、たいへん元気そうである。

今年も”一陽来復”が買ってこられた。
今年は、北側の壁か柱に貼る。
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by l-cedar | 2007-12-31 16:21 | 菊じい

幼な馴染み

「幼な馴染み 新宿鮫番外編(小説こちら葛飾区亀有公園前派出所) 
秋本 治著 日本推理作家協会監修 集英社」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

大沢在昌、石田衣良、今野敏、柴田よしき、京極夏彦、逢坂剛、
東野圭吾の7人が、それぞれ自分の代表作と「こち亀」の
コラボである。その中の”大沢在昌”の”新宿鮫”だ。

話は、正月明け早々、鮫島の恋人、今や売れっ子ロックグループの
ヴォーカルである”晶”が、鮫島を浅草寺に誘う。
浅草寺ならと、浅草出身の警視庁最高の弾道検査のエキスパート、
新宿署鑑識課”藪”も誘う。
題名の”幼な馴染み”は”こち亀”の”両津”と”藪”だった。
そして、本編ではいつもすごい自信家として描かれている”藪”は
子供の頃、”両津”からいじめられていた。
そして、警察に勤めていることも隠している。
さらに”藪”という名前から医者をあきらめたという、
いつも出てくる”藪”を語る話も”うそ”ということが
両津の口から明らかになる。

すごく、ほのぼのとしてよい話だった。
”番外編”としては出来すぎの話だった。
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by l-cedar | 2007-12-31 08:51 | 日々

風化水脈

「風化水脈 新宿鮫Ⅷ 大沢在昌著 光文社文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

”新宿鮫”の”新宿”という舞台をあらためてどういうところだったかを
見直す作品である。そういう意味で原点に返った感じがした。

冒頭で第1作目で鮫島に自首してきた藤野組組員”真壁”が
刑期を終え出所して、女性を伴い、歩いているところに
鮫島は偶然出会う。その時の会話が良い。

「どうも」「その節はお世話になりました」
「いつだ」
「まだ一週間です」
「戻ったのか」
「他にいきようがありませんから」
「木津は死んだぞ」
「あちらで聞きました。鮫島さんですか?」
「俺は奴に殺されるところだった」
「しばらくのんびりさせてもらいます」
「それがいいだろう」
「失礼します」
「じゃあな」
この短い会話で、お互いのことを探り、思い、感じる。

鮫島は、高級車窃盗グループを追っていた。
そして、実行するグループは中国人マフィア、盗んだ車を保管して、
海外に輸出するのは、藤野組が絡んでいることを突き止める。
そして、その中国人マフィアのボスは、”真壁”が殺し損ねた相手だった。
服役している間に自分の”組”が抗争の対立相手と組む”シノギ”をして
大きな資金源になっていることを”真壁”は知る。そして、その
”シノギ”を牛耳る”真壁”の弟分の”矢崎”は、”真壁”にも”相手”にも
そのことを隠している。中国人マフィアは”真壁”が死んだと思っている。
一方、鮫島は、盗んだ車の”洗い場”(ナンバーを付け替えたり、
塗り替えたりする場所)をつかみ、その前にある駐車場の管理人で
ある新宿の生き字引的な老人”大江”と知り合う。そして、
その”洗い場”を探り、その裏にある古井戸から死体を発見する。
鑑識にまわされたその死体は、”永久死体”で腐乱せずに、
ワックスのようになる”屍蝋”と呼ばれるものだった。
そして、その死体は40年以上も前のヤクザだった。
悲しい話がその裏にあることをつかんでいく鮫島。

”大江”の話から”青線”があったころの昔の新宿が良くわかる。
やがて、ラストに近づくにつれ、”真壁”が生きていることを
知る中国人たち。”真壁”は覚悟を決めている。
鮫島は”真壁”の”妻”から”真壁”が組を抜けようとしていることを知る。

鮫島は”真壁”を救えるか?ハラハラドキドキで読み終わった。
老人”大江”の存在と話との絡み方もすごく良い。
最高の”終わり方”だと思った。
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by l-cedar | 2007-12-31 08:13 | 感想文

ブット元首相暗殺

ブット元首相を帰国させ、ムシャラフ大統領とひっつけて、
なんとか、イスラム圏で唯一の核保有国であるパキスタンを
親米寄りにさせようと、アメリカが画策していたが、
これが一気に危なくなってきた。タリバンやアルカイダの関与や、
ムシャラフが陰で糸を引いているなどの憶測が騒がれている。
この事件は、パキスタンが、親米から離れて、一気に
アルカイダやタリバンなどのイスラム過激派寄りになる
危険性をはらんでおり、もし、そういうことになれば、
”西側諸国(キリスト教)対イスラム”という構図がはっきりしてしまい、
第2次大戦前の”連合国対枢軸国”の図式に近づき、非常に
恐ろしい未来が待っていることは誰でも予想できる。

”自爆テロ”、彼らは死を恐れない。
太平洋戦争時の日本に似ている。
死ねば、”靖国”に行けると思っていた彼らと同様に”神”になれると
信じて、爆弾を体に巻きつけ、対象となる標的に身を投じる。
当時の日本人に”間違っている”と理解させることが不可能で
あったように、彼らに”無駄死”であることを理解させることは
難しい。しかし、”無駄死”を強いている”上”にいる
人間にわからせることは可能であるのではないか。
なんとか、この悪い状況を変えていかないといけない。

世界規模の戦争が起きれば、結果は誰でもわかっている。
この状況を避けるために、日本は何ができるのであろうか。

にっぽん、ちゃ、ちゃ、ちゃ。
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by l-cedar | 2007-12-31 00:29 | 日々

灰夜

「灰夜 新宿鮫Ⅶ 大沢在昌著 光文社文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

米治郎としては前作”氷舞”の次に面白い。

鮫島のキャリアから、新宿署防犯課(現生活安全課)に
移るきっかけとなった公安部内部の暗闘、それに巻き込まれて
自殺した鮫島の同期キャリア”宮本”、その七回忌に彼の故郷を
訪ねる・・・。という裏表紙の紹介にあるが、冒頭は、
鮫島が動物の檻に閉じ込められ、寒さで目が覚めるところから始まる。
なぜ、閉じ込められたかを回想していき、檻から逃げ出すところで、
回想から現在のシーンに連なっていく展開は流石である。

第1作目から登場する鮫島に託された公安部の暗闘が綴ってあると
いう”宮本”の遺書、それが鮫島に託された経緯が”灰夜”で明らかになる。
しかし、内容は明らかにはされず、それはまた後のお楽しみであるようだ。
七回忌で鮫島は、宮本の旧友の”古山”、そして、さらにその妹の”栞”と
知り合う。その”栞”の言葉、「鮫島さんて、武史(宮本)さんとはまるで
違うタイプの人間です。(中略)たとえば、まちがっていることがあるとして、
まっ先に『まちがっている!』って指摘するのが武史さん。
そしてそれをなんと変えようとして、できないとなると、あきらめてしまう。
鮫島さんは、『まちがっている!』って騒がないかわりに、粘り強く、
変えていこうとするタイプに見えるわ」このセリフが鮫島を良く表し、
米治郎は非常に”人間を見る尺度”のひとつとして”なるほど”と思った。

麻薬取締官、県警の悪徳刑事、地元の暴力団、そして、北朝鮮。
鮫島は、警視庁刑事であるため、”宮本”の地元である地方都市では、
逮捕権も調査権もない、その中で、真実を追求していこうとする。
”宮本”から”遺書”を託されたことにより、警視庁公安部の暗闘に巻き込まれ、
七回忌を訪れたことにより、また、宮本から、地元での暗闘に巻き込まれる、
鮫島の運命、人間の運命とはこういうものなのかと思う。
鮫島のような刑事を描いていれば、いずれ避けては通れない北朝鮮問題、
見事に描かれている。”氷舞”と並び、たいへん読み応えがあった。
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by l-cedar | 2007-12-30 23:53 | 感想文

氷舞

「氷舞 新宿鮫Ⅵ 大沢在昌著 光文社文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

順次書いていくが、文庫本化されている8作目まで
読み終わって、米治郎はこの”氷舞”が一番面白かった。

物語は、第1作目から登場する新宿署での鮫島の
2人だけの理解者の一人、鑑識課の”藪”に誘われ、
鮫島が演劇を見に行くシーンから始まる。
今までは、張り込みだったり、事件を追っている
ところから始まるが、こういう始まり方は初めてである。
その芝居は、女性の一人芝居で、”藪”はこの女優のファンという設定だ。
この女優が、後に事件に関係してくるが、鮫島が8作目までの中で、
唯一、恋人であるロックシンガーの”晶”以外の好きになる女性となる。

新宿のホテルで、アメリカ人が殺されているのが発見される。
この男は、元CIAのエージェントで、警視庁幹部、
警察官僚出身の国会議員も絡む暗闘の始まりだった。
鮫島は、この巨大な相手に果敢に立ち向かっていく。
第1作目で、鮫島のキャリアの同期で、順当に出世階段を
上っていく”イヤな役”の”香田”が今回は警視庁公安部の
刑事として、鮫島を助ける役として登場し、いい味を出している。
公安は、一般の警官等を監視する役目もあるが、さらに
公安の刑事を監視する公安総務課という存在もあることを知る。

最後は儚く、そして、悲しい。
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by l-cedar | 2007-12-30 23:21 | 感想文

炎蛹

「炎蛹 新宿鮫Ⅴ 大沢在昌著 光文社文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆

いつものように、いろいろな事件が重なっていく。
イラン人対台湾人の抗争、コロンビア人娼婦殺人事件、
ラブホテル放火事件、そして、中南米からのイネの恐怖の害虫の蛹。
そして、農林水産省植物防疫所防疫官”甲屋”、
東京消防庁予防部調査課”吾妻”、この二人が鮫島を助けて、
鮫島に助けられて、この3人を中心にして事件を解決していく。
いつもは一人で事件を解決する鮫島が今回は助っ人がいる。
ふとした弾みで、コロンビア人娼婦を買ってしまい、性病をうつされ、
長野の造り酒屋の娘から離縁されてしまう男。
コロンビアからイネの恐怖の害虫蛹入りのお守りわら人形を持つ女。
マネキンを着飾らせて、女性の服を着て徘徊する若者。

また、今までの4作とは違った展開で、驚く。
同じ主人公、同じ舞台、しかし違う展開。
この作家の奥の深さには、もう期待しながら読んでる。
”鮫島”と”甲屋”、二人での行動、そして、お互いの職業に
対する尊敬と敬意。面白かった。
特に、農林水産省植物防疫所防疫官、東京消防庁予防部調査官、
このような職業にスポットを当てたところもすばらしい。
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by l-cedar | 2007-12-30 22:40 | 感想文

無間人形

「無間人形 新宿鮫Ⅳ 大沢在昌著 光文社文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆

これ、大沢在昌氏の”直木賞”受賞作品なので、”☆☆”にした。

新宿で”アイスキャンディ”と呼ばれる新型覚せい剤が
若者の間で流行り始める。舐めるだけで効き、しかも安価。
若者が覚せい剤とも知らずに安易にその罠に嵌っていく。
それを決して見逃せない鮫島は、売人から密売ルートを追い、
第1作で、対立する中国マフィアの頭を殺し、血だらけで
新宿署の鮫島の下に自首してきたヤクザ、真壁のいた藤野組、
その真壁の兄弟分、”角”が元締めであることを掴むなかで、
厚生省麻薬取締官の妨害。麻取と警察の確執。
さらにアイスキャンディの形にする生産元である
地方財閥の香川家にたどり着く。

香川家の東京の”角”との窓口は、香川兄弟の弟、”進”、
しかし、香川家であることは、”角”には伏せてあるが、
”鮫島”が調べていることを察した”角”は、生産調整をして、
価格を上げようとする”香川家”に紳士的な態度を豹変させ、
ヤクザ本来の姿で脅しにかかる。しかし、しゃぶの錯乱状態に
なった”進”は逆上して、”角”ともども死んでしまう。
そして、舞台は、香川家の地元へと移る。
そこに、偶然、鮫島の恋人”晶”も現れ、事件に巻き込まれていく。

圧倒的な展開で、話は進められていく。
”アイスキャンディ”の卸元で、影にいる香川家の存在、
そして、力が馬鹿でかく、それに挑んでいく鮫島の姿が
読んでいくものの気持ちを次へ次へと誘う。
たいへん、読み応えがあった。
最後、潜入捜査官として、香川家の近くに
潜伏していた麻薬捜査官”石渡”と”犯人”、そして、
”鮫島”のやり取りがホッとする。正義の味方の登場だ。
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by l-cedar | 2007-12-29 17:29 | 感想文

屍蘭

「屍蘭 新宿鮫Ⅲ 大沢在昌著 光文社文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

三作目は、今までの2作とはまったく違う毛色である。
物語は、鮫島の大学の同期、国税庁の”滝沢”と新宿のホテルで
ある男の張り込みから話は始まる。
そして、新宿の高級コールガールの元締めの変死事件、
しかし、死因が特定できず、殺人かどうかはわからない。。
血管が詰まって死んでいて、血管が詰まる原因が究明できない。
それと同時進行で、”須藤あかねビューティクリニック”の
女社長”藤崎綾香”が中央アルプスのふもとにある病院にいる
”須藤あかね”を見舞う、彼女は22年間眠り続けている。
そして、”おばちゃん”こと”釜石クリニック”の看護婦”島岡ふみ枝”。
”綾香”と”おばちゃん”の人にはわからない”綾香”が子供の
ときからの関係。”おばちゃん”は編み棒に”あるもの”を塗りつけて、
”綾香”を遮る者を排除する。そして、”釜石クリニック”の裏の顔、
”胎児売買”。それを突きとめた鮫島に”綾香”は政治力を使って、
警視庁の内部に罠をはり、鮫島は”殺人”と”汚職”の罪を着せられ窮地に陥る。
やがて、国税庁査察官”滝沢”がホームから転落し、電車にはねられて
死ぬ。近くには”おばちゃん”が・・・。
”おばちゃん”の魔の手は、”綾香”を追う”鮫島”に向かう。

なんで、同じ人が、同じ主人公でこんな話が書けるのかと思うほど、
前の二作とは、全く違う展開、全く違う話である。
”おばちゃん”が殺人を犯すために、目黒駅から白金を訪れ、
高級スーパーで買い物をする件は、普通の中年女性の感じで
面白い。
そして、”綾香”と”おばちゃん”の関係は切なくて、見事な描かれ方である。
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by l-cedar | 2007-12-29 15:58 | 感想文