高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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カテゴリ:感想文( 252 )

スギハラ・サバイバル

スギハラ・サバイバル 手嶋龍一著 新潮文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

前作、ウルトラ・ダラー
の続編。
前作同様、すごい小説だ。
主人公は、もちろん、東京支局ラジオ特派員、スティーブン・ブラッドレー、
実は英国諜報部員。彼は、前作で、やりすぎた為、
「任地、東京を離れ、任国は離れることなく、待機せよ」
との命を受け、金沢で蒔絵師の弟子となっていた。

ポーランドの王都、クラコフ、そこの欧州最大のユダヤ人街、
カジミエーッシュに住むアンドレイは、
ナチスドイツの魔の手から逃れるため、リトアニアから神戸へ。
神戸で、アンドレイは、カジミエーッシュに住んでいた美少女、
ソフィーに再会する。さらにアンドレイは、神戸で、日本人の
孤児、雷児に出逢う。
そこで、アンドレイ、ソフィー、雷児は永遠の友となる。
アンドレイ、ソフィーは親の考え方で、
アンドレイは、アメリカへ
ソフィーは、満州を目指し、上海へ。
雷児は永遠の友、アンドレイとの約束、
「ソフィーを守ってくれ」を果たすため、
靴磨きで貯めた全財産を叩いて上海へ発つ。

スティーブンのアメリカの友、マイケル・コリンズ。
片や、英国諜報部員、片やアメリカ捜査官。
彼らは、シカゴ穀物市場で、儲けている
人物に注目する。金融市場に起きている
異変、9・11で大儲けした人物。
それは・・・・・。
そして、二人は、リトバニア日本領事館公使、
杉原千畝氏に救われた人たちの壮大な物語を知ることになる。

手嶋さんらしいインテリジェンス小説である。
スパイ小説ではなく、インテリジェンス小説との主張だ。
スパイとインテリジェンス、同じようでいて違う職業。
杉原千畝氏は、最高のインテリジェンスオフィサーだった
との氏の見解、それが戦後のアメリカ経済にもたらせた影響。
そう、杉原千畝氏が救った6千人のユダヤ人たちが
如何に戦後世界を動かしたか、との仮説(?)に
基づいて書かれた小説である。
前作同様、最後まで飽きさせない。
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by l-cedar | 2012-11-07 09:00 | 感想文

ダブルジョーカー

ダブルジョーカー 柳 広司著 角川文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆☆

ジョーカーゲームの続編、ダブルジョーカー、これも前篇同様、文庫化を待ち望んでいた。
ジョウカーゲームに引き続いて、こちらも短編集、
だから、移動時に読みやすい。
例によって、結城中佐を中心とする
”D機関”のスパイの話である。

”ダブルジョーカー”
”蠅の王”
”仏印作戦”
”柩”
”ブラックバード”
特別収録”眠る男”
から成る。
ジョーカーゲーム同様、
またまた、奇を衒っている。

”ダブルジョーカー”
陸軍大学校卒、通称天保銭組、
風戸中佐が組織した情報機関、”風機関”。
”D機関”は、「何があっても死ぬな、殺すな」
しかし、”風機関”は”死ね、殺せ”だ。
ジョーカーは二つ要らぬ、どちらかがスペアだ。
”D機関”と”風機関”の戦いを
”風機関”の風戸中佐視点で描いている。

”蠅の王”
関西の漫才コンビ、”藤木藤丸”が戦地を慰問に訪れる
ところから物語は始まる。これ、凄く気を衒っている。
この物語の主人公は、脇坂軍医。
彼は、スパイだった。
スパイハンターとスパイの水面下の戦い。

”仏印作戦”
昭和15年6月、中央無線電信所に勤める高林正人は、
仏印へ出張を命じられる。
海軍と陸軍は暗号表が異なっていた為、仏印の海軍は
専用の無線機を持っていたが、
陸軍は持っていなかった為、高林に出張が命じられた。
仏印は高林にとって、すべて天国だった。

”柩”
欧州でナチスドイツのスパイハンター、
ヴォルフ大佐が主人公。
ベルリン郊外で、列車同士の正面衝突事故が起きた。
事故後、ヒットラーユーゲントが怪しい男を逮捕した。
彼は、死体から金目の物を盗むつまらない男だった。
しかし、彼の盗んだモノの中に、ヴォルフ大佐が
追っていた日本人美術商、真木の財布があった。

”ブラックバード”
舞台は、アメリカ、サンタモニカ。
バードウォッチャー、仲根晋吾。
彼の妻は、サンタモニカの実力者、クーパーの
娘、メアリー。彼女もシンゴと共通の趣味、
バードウォッチングだった。

特別収録”眠る男”
欧米のスパイ小説に良く出てくるスリーパー。
ロンドンに住むサム・ブランド。
彼には最愛の娘、エリーがいた。彼女は幼くして
心臓病に蝕まれていた。
サム・ブランド英国陸軍伍長の妻、セイラは
エリーを生むと同時に亡くなった。
「悪魔でもいい、頼むからエリーを助けてくれ」

アンクル小父さんからいつもの絵葉書が届く。
「ハロー、サム。元気かい?
こちらは相変わらず酷い天気だ。
エリーのよろしく。アンクル・ニック」

前篇同様、よーく読まないとわからない。
「凄い」の一言だ。

前回同様、ハードカバーでは既刊である
次回作”パラダイス・ロスト”の
文庫化が待ち遠しい。
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by l-cedar | 2012-11-05 09:00 | 感想文

高い城の男

高い城の男 原題:The Man in the High Castle
フィリップ・K・ディック 著 浅倉 久志 訳 ハヤカワ文庫」を読んだ。 

米治郎の推薦度 ☆☆☆

第2次大戦、枢軸側が勝利して、なんとアメリカは、東側がナチスドイツ、
そして、西側を日本が占領している。(ウィキペディアの地図参照)
以前、”英国占領”という
イギリスがナチスドイツに占領されている話を読んだが、
欧米人の中に、あの戦争に連合軍が負けていて、
ナチスが台頭していたら・・・、という思いは
拭いきれないのであろう。

英国占領よりなぜ枢軸側が勝ったかは、
物語の中で過去の話として登場する。
まず、ルーズベルト大統領が暗殺されたらしい。
そこから戦局がおかしくなっていく。その詳細は
日本の架空戦記モノではないので描かれていない。
ヨーロッパとアメリカの東側では、ナチスが地上から
ユダヤ人を抹殺しており、スラブ系の人たちも
いないようである。
そして、ドイツと日本が占領するアメリカで秘かに
流行っている本が「イナゴ身重く横たわる」という
第2次大戦で連合国が勝っていたらという
架空小説である。この発想が面白い。
ナチスが占領している東側では発刊禁止になって
いるが、日本の占領している西側では、
禁止にはなっていない。
この日本とドイツの対比も面白い。
ドイツは、すごく悪く書かれているが、
日本は以外に紳士的なのである。

しかし、枢軸側が勝って、ナチスドイツは
ここに書かれているようになったかもしれないが、
日本は果たして、こんなに紳士的になっていたのだろうか。

登場人物の心理描写が、若干、哲学的なような
書かれ方をしていて、読みづらい部分もあったが、
ドイツと日本の二大大国が、アメリカとソ連の如く、
東西冷戦をしているようなことも書かれていて
非常に面白い話だった。

このお盆休みに、米治郎おススメの本である。
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by l-cedar | 2012-08-11 08:00 | 感想文

鉄の骨

鉄の骨 池井戸 潤 著 講談社文庫」
を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆

土木工事という言葉で括られる工事は、ほぼ9割が公共工事である。
道路を作ったり、橋を作ったり、鉄道を作ったり、地下鉄を掘ったり、
下水道や水道などのインフラ工事がそれに当たる。
マンションやビル建設などの民間によって発注される建築工事と
違い、税金によって賄われる工事である。
ゼネコンと呼ばれる建設会社からしてみれば、ほとんど景気に
左右されることなく、工事の発注がある。
そこで、それを順番に受注していくことができれば、
そのグループに属する建設会社は、必ず発注ができ、
仕事を請け負うことができる。これが談合だ。

この小説は、その談合を扱った話である。
普通、モノの値段というのは、”売る側”が決める。
”買う側”はその価格がその商品に見合うものであれば、
購入する。
ところが、公共工事は、税金を使って購入するので、
”売る側”である建設会社が値段を決めるのではなく、
”買う側”である役所が値段を決める。
その値段が、所謂”予定価格”だ。
さらに、その何パーセントか減額した価格で
”最低制限価格”というのが設定される。
工事は安ければよいというモノではない。
昔、大型コンピュータの入札で0円入札ということが
あったが、公共工事の場合は、安すぎて品質が劣る
工事をされれば、例えば、橋を架けて、
簡単に壊れてしまっては、人の命がかかっているので
たいへんなことになる。ゆえに”最低制限価格”が設定される。

”予定価格”、”最低制限価格”が伏せられて、
建設会社各社は、それを”ズバリ当てましょう”の如く、
入札に臨む。そこで、”最低制限価格”以上で、
一番安く札を入れた会社が見事落札する。

富島平太は中堅ゼネコンの一松組の
マンション建設工事の現場で、下請会社相手に
奮闘していた。その彼に、ある日辞令がおりる。
業務課への異動の辞令だった。業務課は
社内で”談合屋”と呼ばれる部署であり、
大学の建築学科を卒業した平太には、土木の世界は
全くの畑違い、しかし、そこには尾形常務の思惑があった。

ゼネコンの談合、なくなったと思われているが、
現在も秘かに行われている節もある。
それを池井戸さんは、平太の大学時代の彼女を
池井戸さんお得意の銀行員にさせて、銀行対ゼネコンを
面白可笑しく描いている。池井戸ファンには
見逃せない1冊である。
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by l-cedar | 2012-07-11 08:00 | 感想文

凍土の密約

凍土の密約 今野 敏 著 文春文庫」
を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆

曙光の街”、”白夜街道”に続く、
今野敏さんの公安モノ、警視庁公安部外事1課警部補倉島達夫、
倉島警部補シリーズ第3弾だ。警察モノで有名な今野敏さん唯一の
公安警察モノである。
このシリーズ、まさに米治郎のツボに嵌っている作品である。

前2作で、ロシアの元特殊工作員との闘いで、刑事から
公安に目覚めた倉島警部補、いきなり殺人事件の
捜査本部への出頭を命じられる。
「なぜ、殺人事件の捜査本部へ???」
しかし、その殺人事件の背後には、極東ロシア軍の
先の大戦へ遡る壮大な秘密が隠されていた。
殺人事件は、さらに続き、第2、第3の被害者が出る。
捜査1課は、被害者達のその接点を見いだせない。
しかし、そこには、公安だからこそわかる接点があった。

最近の小説は、国名が具体的に出てくる。
昔の、例えば、松本清張などは、"S国"外交官とかになる。
このシリーズも具体的に、ロシアと、国名を上げている。
ソビエト連邦という社会主義の国家が崩壊して、
資本主義のロシアになり、東西対戦は終結するのかと、
思っていたが、東西ではなく、単に、資本主義国家同士の
争いに言い方が変わったにすぎない。要は、国家間の
利権争いは、古今東西、末永く続くと言うことだろう。

狸穴にある旧ソ連大使館は、今はロシア大使館だ。
しかし、右翼の標的であることは変わっていないらしい。
さらにこの小説はその裏の暗部にまで入り込んで、
少し前なら、立ち入れないところまで書かれている。
これも世の中がより自由になったことなのか、
それとも世間がこういう事に疎くなったから
書けるようになったのか、米治郎にはわからない。

日本で唯一のインテリジェンスと言われている
警視庁公安部の公安警察官をの成長を
描いた面白い題材だ。
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by l-cedar | 2012-07-08 10:11 | 感想文

第三双生児

第三双生児(上) 原題:The Third Twin
ケン・フォレット
著 佐々田 雅子 訳 新潮文庫」を読んだ。 

米治郎の推薦度 ☆☆

この本、読みたいと思っているうちに廃版になってしまい、
残念に思っていて、あちこちのブックオフで探していたが、
先日、秋葉原のブックオフで上下とも発見して、
「やったー」と声が出そうになったが、
何とかこらえて、喜び勇んで、即購入した。

これ、映画はないのかと思ったら、あった
主役の双生児の研究をしている女性博士ジニーは、トップガンの
トム・クルーズと恋に落ちるケリー・マクギリスが演じているらしい。

舞台はある変質者が、大学のキャンパスで女性を
凌辱していることを想像するシーンから始まる
何とも物騒なところから始まる。彼はそれを
我慢できずに実際にやってしまう。
主人公ジニーの助手、リサはその魔の手の犠牲になり、
火事の中で、強姦されてしまう。
一方、ジニーは、双生児の研究をしていて、
違う環境で育てられた一卵性双生児は、
違うのか、違わないのか、例えば、凶暴性は
似てしまうのかを研究しており、自身で開発した
プログラムにより、違う環境で育てられた
一卵性双生児を発見して、その片割れを
研究室に呼び、調査を始めようとしていた。
彼女を大学に招へいしたベリントン教授は、
その一卵性双生児の片割れを見て、驚愕する。
実は、教授は、彼を知っていたのだ。
それは、ジニーがパンドラの箱を開けてしまった
瞬間で、ジニーとベリントンとの闘いの始まりを
告げたゴングだった。

見てはいないが、テレビで”Wの悲劇”をやっているが、
よく、顔が自分に似た人が世間には3人いると言う。
この本は、他人の空似ではなく、一卵性双生児の話。
あなたは、自分が一卵性双生児の片割れだなんて
事を思ったことはありませんよね。
癖や好みもすべて一緒で、しかもそれは
一人ではなく・・・。

ドラマのネタに困っているテレビ局の担当者、
舞台を日本に焼き直しして、ドラマとしても
面白いのではと思った。
”Wの悲劇”より面白いと思う。
(見てないけど・・・)

そういえば、ケン・フォレットのサイトを見たら、
巨人たちの落日(原題:Fall of Giants)”の続編、
”Winter of the World ”っていうのが発刊されたらしい。
早く和訳本出て欲しいなぁ。ソフトバンクさん、ヨロシク。
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by l-cedar | 2012-05-14 08:00 | 感想文

国際スパイ・ゾルゲ

「国際スパイ・ゾルゲ(NHK製作)【YouTube】」を見た。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

これも著作権の関係で、YouTubeから削除される可能性が高い。
よって、興味を持った方は、早く見ることをお勧めする。

現代史スクープドキュメント1991年10月7・8日に
放送されたNHK製作のドキュメント。
なんと旧ソ連KGBに取材をしている。
そして、驚くなかれ、ゾルゲと日本で一緒に生活していた
石井花子さん(映画では、三宅華子として、葉月里緒菜さん
が演じている)の実物が出てくるのである。
KGBが公開したゾルゲのソ連においてきた
妻への手紙も良くソ連が公開したものである。
今となっては、ソ連崩壊への序章だったのかもしれない。

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リヒャルト・ゾルゲ、実在の名の残るスパイとして、
命をかけて、まさに歴史を変えた、
そして、世界を救った人物である。
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by l-cedar | 2012-05-02 08:21 | 感想文

スパイ・ゾルゲ (映画)

映画「スパイ・ゾルゲ 監督・原作:篠田正浩」を見た。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

と、言っても、なんとYouTubeでだ。

これ、著作権の関係で、YouTubeから削除される可能性が高い。
よって、興味を持った方は、早く見ることをお勧めする。

先日、感想文で記事にした「ゾルゲ 引き裂かれたスパイ」を
ほぼ忠実に描いた映画である。
YouTube、20本に分割されている。

監督の篠田正浩氏が、小春演じる山崎淑子
(ブランコ・ド・ヴーケリッチ(ゾルゲスパイ団)夫人)の父親役で、
先日、叙勲された夫人の岩下志摩さんが、近衛千代子(文麿夫人)役で、
チョイ役で出演されている。
本木雅弘氏演じる尾崎秀実、
そして、夏川結衣さん演じる尾崎英子(尾崎の妻)が良い。

CGで再現された当時の東京(銀座や有楽町)、上海も見ものだ。
2/26事件の様子の描写も生々しい。
そして、本の紹介のところではあえて書かなかったが
ゾルゲが2/26事件の背景を正確に掴んでいることも驚きだ。
また、日独伊三国同盟の締結までに至る日本政府の
心理、状況を的確に掴んで、ソ連へ報告している。

何日かに分けてみるのもおススメだ。
連休後半は天気が悪そうなので、いかがであろうか。
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最後のジョン・レノンのイマジン、その歌詞の字幕スーパーが
あらためて、ジョン・レノン、そして、リヒャルト・ゾルゲ、
すごい人だと思った。

共産主義、社会主義は、資本主義に負けたのではない。
人間の権力欲、支配欲、人間の欲に負けたのだ。
資本主義は、その人間の欲望を追求することに良く合っている。
だが、その上での平和とは何だろう。
ゾルゲはわかっていたのだろうか。
尾崎秀実はわかっていたのだろうか。

東京、多摩霊園に彼らの墓はあるらしい。
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by l-cedar | 2012-05-01 08:00 | 感想文

さらば雑司ヶ谷

さらば雑司ヶ谷 樋口 毅宏 著 新潮文庫」
を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆

このブログ更新、1ヶ月以上のご無沙汰である。

米治郎の住んでいる豊島区高田、その隣町が雑司ヶ谷である。
”雑司が谷”ではなく”雑司ヶ谷”である。
もちろん、”憎死我夜”でもない。
間違うと雑司ヶ谷出身の作者、樋口毅宏氏に殺されるだろう。
何しろ「小説界のタランティーノ」といわれている。
この本のハードカバーが出た時、すごく騒がれ、題名と
雑司ヶ谷出身の作者に興味を持っていた。
意外に早く、文庫化され、ツイッターでの称賛ツィートも多く、
実は、発売後すぐ(平成24年2月)に読了していたが、
感想文がずいぶん遅れてしまった。

購入時、別の本を読んでいたので、奥さんに「読んでみたら」
と、渡してあったが、バイオレンスシーンが大嫌いな奥さん、
14ページ目で、「もう読めない、つまらない」とギブアップ。

断っておくが、隣町の雑司ヶ谷は、この本に書かれているように、
マコトやヒカルやタカシやマサやシュンがいる騒々しい
ウエストゲートパークな町とは違い、どちらかというと
谷根千に近い下町情緒あふれて、ババアとこの本で
主人公が呼んでいる国を操作できる教祖はたぶん住んでいない。
まして、都電の中で撃ち合いは起こらないので安心して欲しい。

水道橋博士さんと、町山智浩さんという人の
ダブル解説も興味を持った。

まあ、何しろ、全編、劇画を読んでいるようだが、
風刺、シリアス、洒落があふれ、ある方たちには
とんでもなく面白いだろう。

と、気がついたら、中身を少し話してしまったが、
これで読む気になったら読んでみろ!
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by l-cedar | 2012-04-15 08:00 | 感想文

疑心 -隠蔽捜査3-

疑心 -隠蔽捜査3- 今野 敏 著 新潮文庫」
を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆☆

これは、面白かった。
堅物で、論理、理性しか信じない警察キャリア官僚の竜崎伸也が、
なんと、後輩の女性警察キャリア官僚に恋してしまうのである。
しかも、その局面は、アメリカ大統領が来日することが決まり、
その警備が始まり、息子の薬物使用という不祥事で、
大森警察署長である竜崎が、本来、第2方面本部長が、
大統領警備の第2方面警部本部長にならなければいけないのに、
第2方面本部長を飛び越し、第2方面警部本部長に就任する。
そこには、ある裏があった。
さらに、大森署管内で起きた交通大事故、そこから
消えたトラック運転手。
前作、果断から続く竜崎と大森署の戸高刑事とのやり取り、
すごく、面白い。

1作、隠蔽捜査で、会っている女性キャリア官僚が、
第2警備本部長である竜崎の秘書官として、
派遣されてきて、彼女に恋してしまう竜崎の男心。
これって、きっと男が一生で一回はある女性への恋心を
見事に描いて、おじさん達の心をつかんでいる。
警察小説、1作、2作のあのノリを期待した読者には
見事に裏切られるが、それが読者の心に反して、
「こう来たか!」と、思わせる秀逸だった。

さて、アメリカ大統領を無事、警備できるか?
そして、竜崎の恋心は・・・。
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by l-cedar | 2012-02-15 08:00 | 感想文