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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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WPW

米治郎は心臓の持病がある。”WPW症候群”という。
”WPW”は発見者の3人の頭文字である。
(Wolff-Parkinson-White syndrome:WPW:ウォルフガング、
パーキンソン、ホワイト各博士)
要は、不整脈を生じる疾患の一つで、医学的には、
リンクした”ウィキペディア”を見て欲しい。

簡単に言うと、心臓は、血液を体中に送るポンプの役割だが
それを動かすための発電所のようなものがあり、
そこから送電線があるのだが、米治郎(WPW症候群)の場合、
この送電線のバイパス(”ケント束”と呼ばれる)があり、
何らかのショックで、電気がそっちに回ると、
早いテンポで電気がまわりすぎて、
動悸が起こる、心臓がバクバクになる。

米治郎はこいつとは小学校の頃からの付き合いだ。
こいつのおかげで何回かひどい目にあったが、
お蔭様で、幸いにも死ぬまでは至っていない。
だが、死にそうな目にはあった。
一番ひどかったのは、大学時代、アイスホッケー部1年生の冬合宿、
信州の松原湖という湖、天然の氷が張る湖だ。
そこで、1週間の合宿があった。ホッケーの合宿ではなく、スケートの合宿だ。
リンクを平らにするためには、氷面に、穴を開けて湖の水をかき出し、
それを撒くと、すぐに凍るので平らになる。
練習中に、この発作が起き、動悸がすごく倒れてしまった。
その倒れたところが、その穴からわずか数センチ。
今でも、思い出すとぞっとする。

しかし、長年付き合っていて、病院で検査も毎年している。
最近、義妹が送ってくれる”CoQ10”が効いているらしく、心電図に
”WPW症候群”特有のP波の後に続くQRS波形にΔ波(デルタは)が
去年あたりから出なくなった。
発作もここ5年位ない。去年の検査で、医者も不思議がっていた。

今年も検査の時期が来た。
検査は、”超音波心電図”と”ホルター心電図”だ。
”超音波心電図”は人間ドックなんかでやる”超音波の内臓検査の
心臓版だ。ゼリーみたいなやつを器具の先につけて、心臓付近を
強く抑えると、画面に心臓の画像が出てくる。
”ホルター心電図”は電極を心臓付近の何箇所かに絆創膏で貼り付け、
それを電線で結んだ先に、SDカードみたいなものを内蔵した
少し前のウォークマンのような機械に接続され、
それをベルトで腰に結びつけ24時間つけている。
謂わば、24時間携帯心電図だ。
これ、意外と苦痛で、まずその日は風呂に入れない。
もちろんシャワーもだめ。

ホルター心電図(これも小さくなった、
昔はカセットテープのウォークマンくらいで重かった)
WPW_c0003409_18114367.jpg

ホルター心電図装着の図(恥ずかしい)
WPW_c0003409_18125360.jpg

これの他に、今年はなかったが、”トレッドミル検査”、
これは心電図をつけて、ベルトの上をモルモットの様に走る。
これもきつい。
あとは、電極を100箇所くらいつける名前は忘れたがそういうのもある。
心臓に関する検査は、だいたいした。

”WPW症候群”を完治するには、”カテーテル”と呼ばれる
電極を腿から入れて、心臓に到達させて、
バイパス(ケント束)を焼ききれば良いのだが、
米治郎は、決断がつかない。成功率はかなり高いらしいが
当然失敗もありうる。最悪は、間違って違うものを切断することがあるらしい。
違うものは、当然、心臓の中の話だから、命に関わる。
一度決意したが、入院の手続きをする段階で断念した。
とりあえず、平気だから、何もリスクを追うことはないと思った。

たぶん、一生こいつと付き合っていくことだろう。
by l-cedar | 2007-09-19 18:16 | 日々