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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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菊じい-24

今日、7月30日は”土用の丑の日”だ。
ということで、昨日、上野の”伊豆栄”で、鰻を食べてきた。

米治郎の家では、アキラやカオルが大きくなってからは、
家族4人で外食、という習慣がなくなった。
二人が小さいうちは、時々行っていたが、大人になってからは
皆、それぞれの予定があり、ほとんど行かなくなった。
しかし、この”土用の丑の日”の前後に”伊豆栄”で鰻を
みんなで食べるのは、子供たち二人が大人になってからの
唯一の行事である。そこへ、今年は、菊じいと、隅ばあさんが
加わった。ところが、アキラが突然、用ができて行けなくなった。
結局、5人で行ってきた。

アキラが車で出かけてしまったので、もちろん電車で行った。
ちょうど、出る頃に、それまで降っていた雨があがった。
都電に乗って、大塚まで行き、山手線で上野へ出て、上野から
”伊豆栄”までは徒歩だ。

5人の中で、菊じいが、歩くのが遅い。
奥さんが「お父さん、おじいちゃんが遅れている」と、
先頭を歩いている米治郎に言ってくる。
やっと、店に着くと、土用の丑の日の前日の日曜で
待っている人でいっぱいである。
米治郎たちは、予約していたので、すんなり入れた。

個室に通されると、6人前の前菜が用意されている。
「あっ、アキラに分を取り消すのを忘れた!」
急いで、仲居さんに言うと、
「じゃ、それは作ちゃったんで、それだけは食べてください」

菊じいは、ぬる燗のお酒を1合だけ飲んだ。
米治郎はもちろんビール。
6階の個室だったので、窓の外に
不忍池が良く見える。
菊じいは、旧制の4中、今の上野高校を出ているので、
この付近は詳しい。
「昔ははこの辺をよく裸で走っていた、
不忍池は、ハスでいっぱいだなあ、
昔は、ボートがたくさん出ていたがなあ」

予約をする時に、料理の注文も強制されて、
さらに、”うな重”だけじゃだめといわれて、
”なんだか御前”という言われた中で一番安いのを
頼んでいたが、来るわ、来るわ、いろいろ出てきて
今度こそ、うなぎか、と思っても、まだ、出てこない。
その後、やっと待望の鰻が出てきた。
鰻はうまかった。
菊じいも、あれだけ出てきたものを、
うな重のご飯を少し残しただけで、完食だ。
「うん、やはり、伊豆栄の鰻はうまいな」
アキラへもお土産の鰻を包んでもらった。

帰りに店を出ると、大雨。
上野駅まで、行きとはうって変わって、菊じいの
歩くことの速いこと、速いこと。
先頭をどんどん行く。
菊じい「雨が降っているからね、速く歩けば、濡れるのも少ないから」
一同「・・・・・・・・」
奥さん「行きはあんなに遅かったのにね」
菊じい「いろいろよく見ていたからね」

上野が懐かしい菊じいでした。
by l-cedar | 2007-07-30 13:18 | 菊じい