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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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笑う警官

米治郎の推薦度 ☆☆☆ 

「笑う警官 佐々木譲 ハルキ文庫」を読んだ。
相変わらず、この人の作品は安心して読めた。
北海道警察の大通署の佐伯という刑事が主人公だ。
実際に北海道警であった警官の裏金作りや、覚せい剤売買
などを伏線にして、小説にしている。
今回、一泊で関西出張へ行ってきて、これを持っていったが、
行きの新幹線、まず新横浜へ着くくらいまでに本が睡眠導入剤になり、
寝てしまうのだが、つい引き込まれて、読みふけってしまい、
名古屋までで、半分くらい読んでしまい、これはやばいと思い、
少し残した。夜寝る時は、敢えて読まなかった。しかし、2日目の
移動中に読み終えてしまい、帰りの新幹線は別のものを読んだ。
それほど、面白かった。
佐々木譲氏の警察小説の初の文庫化(他の人との連作の短編が
あったが・・・)で、彼の小説の舞台になることが多い、北海道ものだ。

大通署の佐伯刑事は、新しく刑事になった新宮と
盗品売買の容疑で、小樽の会社事務所を急襲するが、
逆に、新宮刑事が首に拳銃を突きつけられ、人質に取られてしまう。
犯人は彼らを警官と思っていなかった。そして、おかしなことを喚いている。
「警察なら、事前に踏み込むって、知らせがあるはずだ、本当に警察か」
やっと説き伏せて、逮捕すると、本部からも刑事が来て、逮捕した犯人は、
本部へ取り上げられてしまう。札幌へ戻ると、今度は、
マンションの一室から女性の死体が発見される。そして、その女性は
北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査。
この事件も大通り署から本部へ取り上げられ、
さらに、被疑者は、佐伯が、かつて警察庁の人身売買の事件で
おとり捜査で組み、命を救ってもらい、今は水村巡査と同じ本部に
所属する津久井巡査部長だということに・・・。
やがて拳銃を所持し、覚せい剤中毒ということで津久井に対する
射殺命令がでてしまう。
何かがおかしいと、佐伯の本部との攻防が始まる。

いつものように文章もわかりやすく、読みやすかった。
公務員、警察官、キャリア、今、騒がれている裏金など
考えてしまう。
どこの世界にも、”いい人”、”悪い人”、”良い人”、”だめな人”がいるが、
”公僕”は、”悪い人”、”だめな人”はいてほしくない。

佐々木譲氏は、米治郎の中で、最高です。
これ、近いうちに、角川春樹事務所で映画化されるらしい。
佐々木譲氏本人のブログ
by l-cedar | 2007-05-25 16:27 | 感想文