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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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靖国への帰還

靖国への帰還 内田 康夫 著 講談社文庫」を読んだ。

米治郎の推薦度 ☆☆

先日、靖国神社へ行った時に、高そうなダブルのスーツを着た
怖そうな人のグループの中の一番偉そうな人が
そのグループの他の人へ言った言葉。
「ここへ祀られている人たちは、今の日本を見てどう思うだろうな」
正に、この問いに対する答えの一つである小説である。

学徒動員で海軍に入り、飛行兵になって厚木基地に配属された
海軍中尉・武者滋は、本土防衛の任務につき、日夜飛来する
米軍のB29に、夜間戦闘機”月光”で対峙していた。
ある日、被弾して、厚木基地に何とか帰還すると、
そこは、現代の厚木基地だった。
そう、現代にタイムスリップしてしまったのだ。

タイムスリップという超常現象で、軽く感じられそうであるが、
全くそんなことはなく、「靖国で会おう」という
軍人として、その当時、当たり前のことを
タイムスリップした現代で、
それを問いかけるけることによって、
「靖国神社とは?」を考えるための
良い話だと、一気に読了できた。

あらためて「靖国とは?」・・・。
皆さん、この本を読んで、
あらためて、「靖国とは?」を考えて欲しい。

A級戦犯が合祀されている靖国神社、周辺諸国から
やり玉にあがり、首相や政治家の参拝が問題視された。
それを祀られている”英霊”たちはどう見ているのか、
どう感じているのかを、鋭い視点で書いている。
「日本国の為に散られれば、靖国へ行く。」
そう若者は信じていた。
それだけで、靖国を信じて、思えないか?
それを、今の日本国民へ、問う小説である。

米治郎は常々思っていた。
「あの戦争で犠牲になった人たちのおかげで
今の日本の繁栄がある」と。

同じことが書いてあり、さらに考えを新たにした。

民主党政権、3人目の野田首相が登板した。
彼の御父上は、自衛隊の精鋭部隊、第1空挺団だったそうだ。
だからではないと思うが、小泉政権の時に
「A級戦犯と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない。
戦争犯罪人が合祀されていることを
理由に首相の靖国神社参拝に反対する論理は
破綻しているが、小泉総理の見解では
その論理を反駁できない」、
「参拝の是非は国際政治的な利害を
踏まえてなされるべきもので、
誤ったA級戦犯理解に基づく是非論はA級戦犯と
された人々の人権侵害であり、
人権と国家の名誉に関わる問題である」
「東京裁判を受諾したという政府や
外交当局の見解によれば、裁判に
おける南京大虐殺20数万や
日本のソ連侵略といった虚構も含め、
日本が満州事変以降一貫して侵略戦争を
行って来たという解釈を受け入れることになってしまう」
この発言で、中国や韓国から、ライトハンド、
と、認識されているようだが、
まあ、お手並み拝見。

”靖国へ参ること” 

= (イコール)

”今の日本のあり方に、
余計なことを考えずに
単純に感謝すること”
だと思う。

宗教観とか、
A級戦犯とか、
政治とか、

余計なことを考えずに、

考えずに、
今の日本、
今の自分の立場、
今の自分に、
感謝するために、参拝すれば良い。

米治郎、そう思う。

この考え方に思い至ったら、
賛成でも、反対でも、良い。
まず、読んで欲しい。

にっぽん、ちゃ、ちゃ、ちゃ。
by l-cedar | 2011-09-02 22:30 | 感想文