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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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初めまして、高田米治郎です。

初めまして、高田米治郎です。
これから、私の読んだ本、思いついたこと、感じたことなど、つれづれに書いていきます。
ところで、この左の画像、どこでしょう?
分かった方はコメントしてください。

さて、初回は、前に読んだ本、
ケン・フォレット著「針の眼」についてです。
これは実は、絶版になっています。
当初、鷲村達也さん訳でハヤカワ文庫から出版されました。私はこれを読んだのですが、絶版になりました。その後、新潮文庫から訳者が戸田裕之さんで出版されましたが、こちらも残念ながら、最近、絶版になってしまいました。

物語は、1944年春、第二次大戦中のイギリスロンドンから始まります。ヘンリー・フェイバーはドイツがイギリスに送り込んだ諜報部員です。「ディ・ナーデル(ドイツ語で針の意)」の暗号名で、自分の正体を知られた場合、相手をなんの躊躇もなく口を塞いでしまうことで、生き延びてきたヒットラー総統が全幅の信頼を寄せるスパイです。

当時ドイツは、米英との戦争で劣勢にまわっており、連合軍がドーバー海峡を越えてくるのは時間の問題でした。結果的にノルマンディ上陸作戦は歴史的に有名ですが、その当時、連合軍はどこから上陸してくるのかは、ドイツの最大の問題でした。どこに戦力を集中させて連合軍を待ち受けるか?連合軍はカレーから上陸すると見せかけるべく、イギリス東南部に大軍が集結しているとのニセの情報や、ゴムや板で作ったニセの軍隊を集結させて、空からの偵察に備えました。この偽装工作により連合国軍はカレーへの上陸作戦を企てているとドイツ側に思わせ、目指すノルマンディーに奇襲効果を上げようと言う意図でした。

そこで、「ディ・ナーデル」に指令がきます。イギリス東南部に集結している連合国軍を偵察確認し、ドイツに戻り直接、総統の報告しろと言う命令でした。そして、その命令を届けてきた仲間もイギリスの諜報機関がマークしていたことに気付き、命令を聞き終えると殺害してしまいます。その後、命令を忠実に守り、ゴムと板の軍隊の連合国側の偽装工作を見破った彼は、Uボートとのランデブー地点に向かいます。しかし、嵐で盗んだ船が沈没してしまい流れ着いた先は「ストーム島(ちなみにこの本のイギリスの原題は「ストーム島」です。)」という人口4人の孤島。そこで、彼を待ち受けていた運命は?無事ドイツまで、連合国のノルマンディ上陸作戦を伝えられるのでしょうか?

ざっとこんなあらすじですが、ケン・フォレットを一躍有名(日本では無名ですが・・・)にした彼の出世作です。スリリングな展開で、一気に読んでしまえます。有名なノルマンディ上陸作戦の裏側に触れたようなかんじです。主人公のヘンリー・フェイバーが東南部のイギリス軍の集結は偽装であるということを本国に報告すべき、イギリスから決死の脱出行を試み、それをイギリス情報部が追っていく展開なのですが、イギリス情報部は、後手、後手に回っていく、その追いつ、追われつの展開は、圧巻です。
by l-cedar | 2004-11-30 13:07 | 初めまして