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高田米治郎が”日々”の出来事や読んだ本について感想文を書きます。


by l-cedar
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祖国なき男

「祖国なき男 ジェフリー・ハウスホールド著  村上 博基訳 創元推理文庫」
を読んだ。

米治郎の推薦度 ×

また、帯につられて、読んだ。
「大戦下、ドイツ軍に単独で挑む男
 果てしなく続く、壮絶な戦いの旅路」
大失敗だった。

最後の解説を読むと、ストーリーとしては面白いのである。
すべて、主人公の回想録として書かれていて、
主人公の視点からすべて描かれている。

では、何が大失敗かというと、”訳”である。
こういう訳本にありがちであるが、訳が日本語として、
文章になっていないのである。
酷いところは、中学生の対訳、直訳であることが、
ありありと伺える。訳者は、私より20歳ほど歳が上の方で、
訳者紹介の履歴を見ると、結構いろいろな本を訳していらっしゃる。
しかし、これは酷い。読んでいて、全く理解できない部分が、
次から次へと出てくる。
必然的に、時間がかかり、結局、途中で投げ出した。
たぶん、原作を原文で読めば、面白いのであろう。
しかし、この訳は、話にならない。小説として成り立っていない。
これで、お金をとろうという発想、理解できない。
これを、出版社に出した訳者もそうだが、これを受け取って、
”OK”を出した出版社の方もどうかと思う。
本当に、この文章を読んで、OKを出したのか、
甚だ疑問である。
さらに思うが、原文で読んでいれば、この日本語でも
ある程度は理解できるのかもしれない。
しかし、この本を買った読者は、初めてこの文章を読むのである。

このブログでも、何回か言っているが、
頭の中に”スーッ”と入ってこない文章、
それは、読んでいる人の頭が悪いのではなく、
文章が悪いのだ。
5W1H、文章の基本だと思う。

敢えて、”駄本”、”駄訳”といわせていただく。
しかし、こんな”駄本”にぶつかってしまうのも
読書の楽しみなのかもしれない。

金返せ!!
by l-cedar | 2009-12-03 14:41 | 感想文